一度目の買収は6ヶ月のデューデリ後に買い手が消えた。Baremetrics、1年後の$4M現金売却まで
SaaS分析ツールBaremetricsの創業者Josh Pigford氏は、最初の買収交渉で6ヶ月のデューデリと法務費$20Kを費やした末に買い手に消えられた。1年後の2020年11月、PEのXenon Partnersに$4M現金で売却。手取り$3.7M、チーム10人に$300K——内訳まで本人が全公開した。
執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)
(以下、ドル金額の円表記は1ドル150円換算の概算)
経緯
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2013年 | Pigford氏がStripe向けのMRR分析ツールとして創業。ダッシュボードを公開する「Open Startup」ムーブメントの中心的存在に |
| 2019年頃 | 最初の買収交渉。6ヶ月のデューデリ・法務費約$20,000を費やした後、買い手が音信不通に |
| 2020年11月 | Xenon Partners(PE)へ$4M・現金で売却。本人の手取り$3.7M、10人のチームに$300K |
取引の中身
$4Mという価格は当時のARR(約$1.5M前後と公開されていた)の2.5倍程度で、SaaSの標準的な倍率に収まる。特徴的なのはPigford氏が内訳・感情・後悔まで含めて全部ブログに書いたことだ。収益ダッシュボードを常に公開してきた「Open Startup」の締めくくりとして、売却の数字まで開示した。
数字の裏を読む
「消える買い手」はM&Aの実在するリスクで、対策はプロセスの並行化しかない。 6ヶ月+2万ドルを失った最初の交渉は、独占交渉で一社に依存した構図だった。Fin vs Finが3週間で10件のLOIを集めた、DashThisが2度の破談を越えたのと合わせて、買い手は常に複数・破談は工程の一部という原則がここでも確認できる。
透明性のブランドは、売却時にデューデリの信頼へ転化した。 収益を何年も公開してきた会社は、数字の粉飾を疑われようがない。Zen Arbitrageが解約率の計算ミスで減額されたのと正反対に、日常の開示は最強のデューデリ対策になる。
PEへの売却は「創業者の卒業」として機能した。 7年運営して情熱が薄れたプロダクトを、運営のプロに引き渡して次へ進む。Pigford氏はその後も新プロダクトを連続で立ち上げており、Usersnap創業者らと同じ「出口→次の挑戦」の型である。