トリヴィペディア、Claude Codeで3ヶ月に560本を量産して月12,948円。AI自動化メディアの運営報告を実数で読む
2017年開設・7年放置の雑記ブログを2026年6月に「トリヴィペディア」として再始動。Claude Codeの自動化で6月90本・7月174本・8月286本を公開し、8月は54,786PV・AdSense 11,255円・note売上1,693円。PVは月2倍で伸びる一方、CTRは4.22%→2.80%へ落ちた。
執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)
雑学メディア「トリヴィペディア」の2026年8月の収益は、AdSenseの確定額11,255円とnoteの売上1,693円を合わせて12,948円だった。数字だけ見れば掲載する理由が薄い事例に見える。それでも取り上げるのは、この報告が「AIで記事を量産すれば広告収入が積み上がる」という説を、これほど几帳面に自分で検証している国内の記録だからだ。Claude Codeを軸にした自動化パイプラインで6月に90本、7月に174本、8月に286本を公開し、PVは毎月およそ2倍で伸びた。それでも広告収入は月1万円台にとどまり、検索のクリック率は4.22%から2.80%へ落ちている。運営者はその数字を隠さず、サイトマップが2週間止まっていたことまで書く。
3ヶ月分の実数
| 月(2026年) | 公開本数 | 月間PV | ユーザー | 検索表示回数 | 検索クリック | CTR | 平均掲載順位 | AdSense確定 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 6月 | 90本(累計161) | 10,971 | 6,719 | 130,382 | 5,501 | 4.22% | 6.06 | 1,718円 |
| 7月 | 174本(累計291) | 28,649 | 19,593 | 305,188 | 9,333 | 3.06% | 7.2 | 4,797円 |
| 8月 | 286本(累計560) | 54,786 | 38,446 | 609,248 | 17,031 | 2.80% | 7.3 | 11,255円 |
累計本数は運営者の集計をそのまま載せた(7月末の291本に8月の286本を足すと560を超えるが、報告の値を優先している)。8月はこのほかnoteで販売する自動化キットが1件売れ、1,980円から手数料287円を引いた1,693円が収益に加わった。アフィリエイトは6月にレンタルサーバーの未確定報酬15,000円(2件)が計上されていたが、7月・8月は0円で終わっている。
サイト自体は2017年12月に雑記ブログとして開設され、2018〜2019年に27本を書いたまま7年放置されていた。2026年6月に名前を変え、「AI自動化で本格運用を始めてちょうど1ヶ月」の時点から月次報告が始まる。運営者は密山裕貴氏で、企業経営の傍ら、このサイトの企画・執筆体制の構築・運営・記事の確認まで一人で行っていると書いている。
1PVあたり0.2円、記事1本あたり月20円
6月の報告にはRPM(1,000PVあたりの広告収益)が164.81円と明記されている。8月の11,255円を54,786PVで割ると1PVあたり約0.21円、RPMに直せば約205円で、単価は3ヶ月ほとんど動いていない。伸びたのはPVだけで、PVの値段は上がっていない。
もう一つの割り算が、この事例の芯になる。8月のAdSense 11,255円を累計560本で割ると、記事1本が生む広告収益は月あたり約20円だ。560本で月1万円。量産が買ったのはPVであって、単価ではない。同じ広告モデルでも月間350万PVで月20〜30万円、1PV0.5円という天井に突き当たった事例があり、トリヴィペディアはその天井の半分以下の単価で、規模は60分の1の地点にいる。
1本依存は薄まったが、順位は下がった
6月のPVの61%は「厨二病の単語・技名・セリフまとめ」1本(6,728PV)が稼いでいた。8月には同じ記事が9,323PVで首位のままだが、全体に占める割合は17%まで下がり、2位の「実在するキラキラネーム一覧」2,331PV、3位の「異名・二つ名の一覧」2,256PVが続く。量産は少なくとも「1本に頼る構造」を崩す方向には効いている。
一方で検索の質は落ちた。表示回数は3ヶ月で4.7倍になったのにクリック率は4.22%から2.80%へ、平均掲載順位は6.06から7.3へ後退した。運営者の分析は「新しい記事が、まだ低い順位で大量に表示され、平均を押し下げている」で、これは量産型サイトが必ず通る局面をそのまま言い当てている。表示は増えるが、押される位置にはまだいない。編集部の見立てを足すなら、この段階のトリヴィペディアは収益事業ではなく、検索面の在庫を積んでいる工程で、収益はその副産物にすぎない。
パイプラインと、空回りしていた自動化
自動化の中身は「ネタ出し→競合調査→執筆→SEOチェック→WordPress下書き投稿」をClaude Codeで回し、稼働日には1日3〜5本を出す構成だ。サムネイルはGPT Image 2、XとThreadsへの投稿も自動化している。8月にはカテゴリを5から11へ再編し、記事内に「腕試しクイズ」と70種以上のブラウザ内ツール(計算機や変換機)を埋め込み、季節イベント記事の自動公開と関連記事の自動リンクも組んだ。運営者はAIに任せるのは調査と下書きまでで、一次資料や公的機関の情報との突き合わせは人が確認していると書いている。
失敗も同じ報告に載っている。サイトマップが約2週間更新されておらず、約170本の記事が登録されていなかった。自動化が「同じ作業を延々と空回りしていた」状態も見つかっている。人手で書いていれば起きない種類の事故で、286本を出す月にだけ起きる種類の事故でもある。SNSからの流入は7月の50セッションから8月の1,086セッションへ増えたが、フォロワー数は書かれていない。
9月の方針は、新規記事の量産ペースを落とし、表示は多いのに順位が低い「キラキラネーム」のような記事を1本ずつ書き直し、不具合の監視と自動復旧を強めることだという。量から質へ、という言い方は簡単だが、量産の3ヶ月目に運営者自身がそう判断した事実は残る。
出ていない数字
費用が分からない。7月の報告ではサーバーとAPIの費用は収益で賄えている旨の記述があるが、8月の報告に費用の内訳はなく、利益は算出できない。月286本をLLMで生成し、画像も生成し、XとThreadsへ自動投稿する構成のAPI費用が月1万円台の収益の中に収まるかどうかは、外からは判断できない。運営者の労働時間も出ていない。noteのキットは「自動化ノウハウ」を売るもので、メディアの収益とノウハウ販売の収益が同じ報告に並ぶ構造は、ブログ収益報告の古典的な形でもある。
どこまで持ち帰れるか
AIで作ったコンテンツの収益を実数で出した国内事例には、登録者3.65万人でも2年の総収益が数十万円台後半、時給416円だったAI解説YouTubeと、AI生成画像9,345枚をAdobe Stockに置いて月$589だった記録がある。3件とも生産量は人力の数倍から数十倍で、収益は人力の事例に届いていない。
- 記事の量産が意味を持つのは、1本ごとの単価ではなく「1本に頼る構造」を崩すことを目的にし、単価が上がらない前提で費用を組めるときだけ
- 検索表示が増えても収益が伸びない局面に耐えられるのは、CTRと順位の低下を「新規記事が順位に着くまでの通過点」として月次で測り続ける運用があるときだけ
- 自動化パイプラインが破綻しないのは、サイトマップや登録漏れのような沈黙する故障を検知する監視を、生成の自動化と同じ優先度で作ったときだけ
限界は明確だ。3ヶ月・月1万円台の記録であり、この先PVの倍増が続くかも、単価が上がるかも分からない。費用と労働時間が無いので、副業として黒字かどうかも判定できない。運営者は経営者でもあり、この規模の収益に生活が依存していない。そして最大の限界は、この事例が示すのが「AI量産では収益が出ない」ことではなく、「AI量産で買えるのはPVまでで、単価は別の力で決まる」という区別だという点にある。
出典
- 本人公開トリヴィペディア「運営報告2026年8月」(2026年9月3日公開)。PV 54,786・記事286本増・AdSense確定11,255円・note売上1,693円・CTR 2.80%・サイトマップ停止と登録漏れ約170本
- 本人公開トリヴィペディア「運営報告2026年7月」(2026年8月9日公開)。PV 28,649・記事174本増・AdSense確定4,797円・CTR 3.06%・自動化の構成
- 本人公開トリヴィペディア「運営報告2026年6月」(2026年7月1日公開)。リブランド後1ヶ月のPV 10,971・AdSense 1,718円・RPM 164.81円・2017年開設からの経緯・Claude Codeのパイプライン
- 本人公開トリヴィペディア 運営者プロフィール。企画から記事確認まで一人で運営、AIは調査と下書きに使い一次資料との突き合わせは人が行う旨
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