SaaSの収益・売却事例
SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアを月額・年額のサブスクリプションで提供する事業モデルを指す。Small Startでは、個人や少人数チームが運営するSaaSの月商・ARR・売却額と集客チャネルを出典付きで記録している。
SaaSは継続課金ゆえに数字が安定して見えるが、掲載事例には成長曲線だけでなく、放置でMRRが90%減った事例や、デューデリジェンス後に買い手が消えた事例も含まれる。
- 掲載事例
- 148件
- 最高売却額
- 120億円
- 売却額の中央値
- 6億円
- 月商の中央値
- 697.8万円
SaaS事業の事例一覧
148件中 1〜25件
NEW Repsona、1人で5年・総売上1,240万円——「スタートアップとしては大失敗」と自己査定するタスク管理SaaSの帳簿
タスク管理SaaS「Repsona」の開発者が5年間の総売上12,403,567円を公開。登録スペース5,873、のべユーザー14,641人。広告はCPA500円でも無料→有料転換は約1%。「趣味の個人開発としては大成功、スタートアップ起業としては大失敗」という自己査定の内訳を数字で読む。
NEW WooThemes、ケープタウン発のWordPressテーマ屋を$30M超のExitに導いたのは、後発の"社内プラグイン"WooCommerceだった
南アフリカ発のWordPressテーマ会社WooThemesは2015年5月、Automatticへ売却された。Re/code報道によれば対価は現金+株式で$30M超。2008年に3人で始めた自己資金の会社を出口に導いたのは、2011年に後発で出したECプラグインWooCommerceだった。売却時は約20カ国55人。
NEW 従業員ゼロ・広告費ゼロでMRR約300万円。コードを書くのをやめた匿名個人開発者のERP連携SaaS
レガシーERPのSOAP/XMLをREST APIに変換するミドルウェアSaaSが、従業員ゼロ・広告費ゼロでMRR約300万円と運営者本人がZennで公開した。直近半年はコードを一切手書きせずClaude Codeで運用。エラーメッセージを狙うSEO記事が集客の柱。運営者は匿名で、外部からの検証はできない。
NEW Wufoo:エンジェル調達$118Kだけのフォーム作成SaaSが、5年後に$35Mで売却された
フォーム作成SaaSのWufooは2011年4月、SurveyMonkeyに売却された。TechCrunchの報道によれば対価は現金+株式で$35M。2006年のY Combinator出身で、外部調達はエンジェルからの$118,000のみ。追加調達なしの5年間で、フォーム経由の決済総額は$100Mを超えていた。
NEW Podscan、黒字化宣言の2ヶ月後に毎月$4,000の赤字へ。FeedbackPandaを売った男の2周目はGPU代との戦い
FeedbackPandaを7桁ドルで売却したArvid Kahl氏のPodscanは、毎日5万本の番組を書き起こす重インフラSaaS。開始1ヶ月はMRR $300に経費$2,000、1年で黒字化するも大口解約で2ヶ月後にMRR $6,000・経費$10,000の赤字へ。全過程を本人が毎週公開している。
NEW Directify、$85,000で買ったSaaSが移管で月商2割減。9時5時勤めのまま7か月で$50K ARR
ディレクトリサイト作成SaaS「Directify」は2026年2月、月商$2,000の状態で$85,000で個人に売却された。買った側は9時5時の勤めを続けたまま、移管で$1,600まで落ちた月商を7か月で$50K ARRへ戻した。ただし取得額の回収は半年時点でまだ$70,000残っている。
NEW Podsqueeze、ローンチ2ヶ月でMRR $6.5K、18ヶ月で$16K。「AIラッパー」と呼ばれたポッドキャスト向けツールの立ち上げ手順
リスボンの2人組が作ったPodsqueezeは、ポッドキャスト音声からショーノート・SNS投稿・ニュースレターを一括生成するAIツール。ローンチ2ヶ月でMRR $6.5K、5ヶ月で月売上$11K、18ヶ月でMRR $16Kへ。「AIラッパー」と揶揄される型の事業が、配布の設計でどこまで伸びるかの実測記録だ。
NEW Typebot、最初の8ヶ月はMRR $100だった。オープンソース化とブラジルの追い風で年商$623Kになったソロ開発SaaS
仏開発者Baptiste Arnaud氏が1人で運営するチャットボットビルダーTypebot。公開後8ヶ月でMRR $100という出足から、買い切り販売で$23Kを確保し、オープンソース化を経てMRR $2.7K(2022年12月)→$31K(2023年10月)へ。2024年の年商は推定$623.1K。
NEW Senja、一度も対面したことのない2人が「お客様の声」SaaSをARR $800Kに。ナイジェリアとロンドンの3年半
テスティモニアル収集ツールSenjaは、ナイジェリアの開発者Wilson氏とロンドンのマーケターOlly氏が一度も対面せずに運営。MRRは$100(2022年8月)から$50,000(2024年10月)へ伸び、2025年5月時点でARR $800K。同月、Wilson氏は持分をOlly氏に売却して離脱した。
NEW Oh Dear、2人・従業員ゼロでARR $1M。広告費は「他に使ったほうがましだった」
Mattias Geniar氏とFreek Van der Herten氏が2017年に副業で始めたサイト監視SaaS。従業員ゼロ・調達ゼロの2人のまま2025年9月にARR $1M超。初日は約500人のリストから約20人が課金して月商約$1,500だった。
NEW Pirsch Analytics、社員1人のGA代替がMRR $11,000→$14,300。毎年決算を公開する「三番手」の5年目
ドイツのクッキーレス解析Pirsch Analyticsが2025年の数字を公開。MRRは約$11,000から約$14,300へ+24%、有料購読者は553→627、年間純売上は約$130,000。社員1人+共同創業者2人が兼業で関わる体制のまま、創業5年目を走っている。
Fomo、MRR $10,000のウィジェットを売り手分割払いで買って最高月$154,000。6年後に7桁ドルでRelay Commerceへ
Ryan Kulp氏は2016年にMRR約$10,000のウィジェットNotifyを買い、Fomoとして39か月連続で伸ばして最高月$154,000に届いた。売却時の月商は$107,200、2022年にRelay Commerceへ7桁ドルで売却。買値も売値も非公開のまま、間の数字だけが残っている。
直近22人が訪問 Instatus、ステータスページ一本でMRR $48K。有料顧客ゼロの「Sup」を捨てて大企業向けに値上げ
初代版「Sup」は有料顧客ゼロ。創業者Ali Salah氏は名前もブランドも捨て、大企業向けに位置づけ直して値上げした。2022年2月にMRR $5K、公開中のメトリクスページによれば直近でMRR $48,017・有料顧客1,248。指標を全公開しながら伸びる、ステータスページ専業のソロSaaSだ。
直近16人が訪問 NinjaPear、LinkedInに提訴された年商$10Mの会社を手放した創業者が、2週間で作り直して6ヶ月で月$15,000
LinkedInスクレイピングAPIのProxycurlを年商$10Mまで育てた創業者が、2025年1月に提訴され、和解して同業へ売却。Claude Codeで2週間で作り直したB2BデータAPI「NinjaPear」は、54日で登録1,036人・ARR $66K、6ヶ月で月$15,000に達した。
SEOTesting、名前を捨てたら9カ月で「2年半分」を売った——無料ツールSanityCheckの改名・再構築でMRR $18K・顧客330社へ
自サイト用の内製ツールを無料公開し、5カ月後に月$10で課金開始するも数千ドルで停滞。英国のNick Swan氏はドメイン取得に$2,500を投じて「SEOTesting」へ改名・ゼロから再構築し、9カ月で旧名SanityCheckの2年半分の売上に到達した。2022年9月時点でMRR $18K・顧客330社超。
Closet Tools、Poshmarkの出品作業を代行するだけのツールで月$30〜40K。朝5時の3年間を経て月$30の単一価格で登ったソロSaaS
妻のPoshmark出品を手伝う30行のスクリプトが起点。朝5〜7時の独学3年間を経て2018年2月に公開、2020年末に月$38K・顧客1,500、2023年もMRR $30〜40Kのレンジを維持。価格は公開以来月$30のまま、集客はほぼSEOだけというソロSaaSの記録だ。
Canny:ARRを毎年公開してきたフィードバック管理SaaS、7年目に初の減収$3.5M→$3.3Mまで隠さず書いた
ユーザーの機能要望を管理するSaaSのCannyは創業以来ARRを毎年公開し、7年目(2023年)に初の減収$3.5M→$3.3Mも隠さず報告した。外部調達$0・17人。無料プラン投入で有料顧客が一夜で半減しARPUが2倍超になった経緯まで、数字で追える年次報告を読む。
Hypefury、3日で作ったMVPが2年でMRR $23Kに。Xの予約投稿ツールなのに「SNS経由の流入は2%」という集客の内訳
X(旧Twitter)予約投稿ツールのHypefuryは、3日で作ったMVPから出発し、2019年12月のMRR $500が2021年9月に$23K超へ。値上げで$13K→$19K、SEOで月4.5万訪問。SNSツールなのにSNS経由の流入が2%という集客構造を創業者2人が公開している。
Balsamiq、創業16年のワイヤーフレーム専業ツールが年商$6.58Mを自社公開。「意図した減収」まで書く年次報告の中身
ワイヤーフレーム作成ツールのBalsamiqは2008年創業以来ブートストラップのまま、2024年売上$6.58M(前年比6%減)を自社ブログで公開。「想定通りの減収」と書き、2025年も意図した緩やかな減収を見込む。専業ツールが減収期の数字まで出し続ける理由を読む。
Missive、プロトタイプに1年・黒字化まで4年。別事業の利益で食いつなぎ、10年でARR $8Mに届いたメールSaaS
3人の共同創業者が別事業ConferenceBadgeの利益を燃料に開発したメールSaaSのMissiveは、課金開始まで2年、黒字化に4年をかけ、2021年に$1M ARR、2025年にARR $8M・16人・顧客4,500社超へ。広告費ゼロ、比較ページとアフィリエイトで伸びた「遅いSaaS」の記録。
Simple Analytics、MRR $51Kと顧客数1,328をライブ公開し続けるGA代替。Product Hunt 3位とHacker News 1位から8年目の現在地
GA代替のSimple Analyticsは、MRR約$51.1K・有料顧客1,328・ARR $613.8Kを公開ダッシュボードで晒し続ける。2018年のProduct Hunt 3位とHacker News 1位で最初の30顧客を獲得、13ヶ月で$30K ARR。プライバシー特化SaaSの8年目の実測値。
Ghost、非営利のままARR $11M。定款で「売却できない会社」を選んだオープンソースCMSは収益も解約率もライブ公開
オープンソースCMSのGhostは、定款で「売却も買収もできない」構造を選んだ非営利財団。ARR $11,055,673・有料顧客30,557・ネットチャーン2.92%までサイト上でライブ公開し、収益の100%を製品とコミュニティに再投資する。41人フルリモート、2013年創業の「売れない会社」の記録。
EmailOctopus、激戦のメール配信市場を「安さ」だけで登ってARR $3M。広告開始はMRR $22Kに達してからだった
2014年に副業で始まったEmailOctopusは、Mailchimp帝国の足元で「同じことを安く」だけを武器に成長し、2021年にARR $1.6M・チーム9人、2023年にARR $3M超へ。初期投資はドメイン代とロゴ外注費のみ。広告を始めたのはMRR $22K到達後という順序も含めて、地味さの教科書だ。
Rezi、$9.69のWordテンプレから10年でMRR $257K。AI履歴書SaaSのスロースタートはStripe連携で検証できる
2015年に$9.69のWordテンプレ販売から始まったReziは、10年かけてMRR $257,935・累計売上$9.9M・有効契約10,689件に達した(Stripe連携で検証可能)。GPT-3を最初期に履歴書生成へ導入し、Googleとの企業契約まで至った「遅い成功」の記録だ。
CyberLeads、19個の失敗の次に31日で作った「調達企業リスト販売」が月$53.7K。無料ニュースレターが営業装置
ギリシャのAlex West氏は、19個の失敗作の後に31日で作った「資金調達企業のリスト販売」CyberLeadsを2020年2月に公開。初月MRR $290から、2024年10月時点で月$53.7Kに。週10件の無料ニュースレターを有料版への導線にする設計だ。
よくある質問
- 個人開発のSaaSはどれくらいの収益になりますか?
- 掲載事例では、一人で運営されるBuiltWithが年商$14M、OSS+有料版のSidekiqが年商$7M超を公開しています。一方でMRR $2,800から$340まで落ちた事例も同じ棚に並べており、上振れだけでなく分布の幅そのものを記録しています。
- SaaSはいくらで売却できますか?
- 掲載事例の成約額は、個人間で$300Kで譲渡されたPotionから、$5M ARRで$25Mで売却されたBoardroom Insiders、$40M全額現金を選んだAppArmorまで幅があります。海外のブートストラップSaaSでは年間売上の3〜6倍前後の成約を記録しています。
- 売却の倍率は何で決まりますか?
- 本メディアは助言を行いませんが、掲載事例では収益の上昇トレンド、創業者への依存度(属人性)、買い手との適合が倍率を動かしており、各記事で交渉の経緯を出典付きで記録しています。