eBiz Facts、情報商材レビューで月商$4,199。読者を商品から遠ざける理由
アイルランド出身のNiall Doherty氏が2018年12月に始めた情報商材レビューサイト「eBiz Facts」は、直近6ヶ月平均で月商$4,199・利益$2,708。転機は自腹で講座を買い6週間かけて検証した最初の企画だった。
執筆: Small Start 編集部(公開情報の要約+独自分析)
「ネットで稼ぐ方法」を売る情報商材のレビューサイト、と聞いて身構える人は多いはずだ。この市場のレビュー記事の大半は、紹介料の高い商材を褒めるために存在している。アイルランド出身のNiall Doherty氏が2018年12月に立ち上げた「eBiz Facts」は、同じ市場に立ちながら逆方向を向いた。自腹で商材を買って通しで受講し、良くないものは良くないと書く。Starter Storyのインタビュー時点で、直近6ヶ月平均の月商は$4,199、月間利益は$2,708である。
派手な数字ではない。むしろこの規模だからこそ、個人が検索流入だけで積み上げた収益サイトの構造が、余計な要素なしに見える。
開示されている数字
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 月商(直近6ヶ月平均) | $4,199 |
| 月間経費(同) | $1,491 |
| 月間利益(同) | $2,708 |
| 収益構成 | アフィリエイト95%、残りはPatreon支援 |
| 立ち上げ | 2018年12月 |
| 月商$4,000が安定するまで | 開始から18ヶ月 |
| 1日あたりユニーク訪問者 | 約1,000人 |
| 流入内訳 | オーガニック77%、直接11%、ソーシャル7% |
| メール登録者 | 4,731人(週刊ニュースレター開封率30%) |
| 訪問者→メール登録の転換率 | 1% |
| 体制 | 本人1名+リサーチ・管理・開発などの外注数名 |
利益率は約64%。経費$1,491の内訳は全面的には開示されていないが、外注費とツール代(キーワード調査のAhrefs、メール配信はSendy+AWSで月$5程度)が中心だと語られている。ホスティングと配信インフラがほぼタダに近い一方で、人の手を借りる部分に金がかかる、という個人メディアの典型的なコスト構造である。
そこに至るまでの時系列
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2010年 | Web開発の会社員を辞め、フリーランスに。「月$3,000〜5,000が典型的な月」 |
| 2018年後半 | 知人のアフィリエイトサイトが月$40,000稼いでいると知る。手元資金は$15,000 |
| 2018年12月 | eBiz Facts立ち上げ |
| 立ち上げ直後 | Tai Lopez氏の人気講座2本を自腹購入。6週間かけて8記事・25,000語を執筆 |
| 公開当日の夜 | 初のアフィリエイト報酬$14.50を確認 |
| その後 | Sam Ovens氏のレビューに約150時間を投下 |
| 開始から18ヶ月 | 月商$4,000が安定 |
潮目をつくった最初の企画
この事業の軌道を決めたのは、立ち上げ直後の6週間である。
Doherty氏は当時のネットビジネス界隈で最も知名度のあった講師の一人、Tai Lopez氏の人気講座2本を自分の金で買い、最初から最後まで受講した。「じっくり精査した。6週間まるまるかかり、8本の記事と25,000語になった」と本人は述べている。結果は割れた。片方の講座は否定的な評価になり、もう片方は「セール価格で買うならという条件付きでかなり値打ちがある」という評価になった。
公開したその日の夜、アフィリエイト管理画面には$14.50の報酬が計上されていた。
金額としては笑ってしまうほど小さい。だがbefore→afterで見るべきは金額ではなく、報酬が発生するまでの日数がゼロだったことである。6週間分の一次情報を出した初日に、成約が起きた。この一件で「自腹購入+通し受講+賛否両論の結論」という記事フォーマットが機能すると確認できたため、以後は同じ型でレビュー資産を積み増す方向に迷いなく振り切れた。18ヶ月後の月商$4,000は、この型を反復した結果である。
なぜこの型が効いたのか
表面だけ見れば「丁寧にレビューを書いた」で終わる話だが、効いていた仕組みは三つに分解できる。
一次情報のコスト差が、そのまま参入障壁になっている。 情報商材レビューの多くは、商品を買わずに公式LPと他人のレビューを再構成して書かれる。数万円の講座を買って何十時間も受講する記事は、検索結果に並んだとき唯一の一次情報になる。競合が真似するには同じ金と時間を払う必要があり、しかもそのコストは紹介料が発生するまで回収できない。安く量産する側は構造的にここへ来られない。
否定できることが、そのまま在庫になっている。 「どんな商品も万人に完璧ということはないと強く信じているので、合わない可能性がある理由を必ず読者に伝える」と本人は語る。実例として、アンケートサイトのレビューでは「そのサイトで$500稼ぐには、頭の痺れるような週40時間労働を3ヶ月続ける必要がある」と算出して示している。短期の紹介料を捨てる代わりに、読者は「このサイトは自分の側に立っている」と学習する。訪問者の1%がメール登録に進み、4,731人のリストと開封率30%が積み上がったのはその副産物だ。リストは検索順位の変動に左右されない資産である。
遅効性のチャネルを、遅効性のまま扱っている。 流入の77%はオーガニック検索で、月商$4,000に届くまで18ヶ月かかっている。SNSでの初速を捨てて検索に賭けた設計は、最初の1年は数字がほとんど動かないことを意味する。ここを耐えられるだけの経済的な余裕が事前にあった点は、後述するとおり誰にでも再現できる条件ではない。
二つ目の転機は「深さを削った」こと
この事例で見落とされやすいのは、最初の企画と正反対の方向への修正が後から入っていることだ。
Doherty氏はSam Ovens氏のレビューに約150時間、20,000語超・画像300点以上を投じている。しかし本人の総括は「Tai Lopezに6週間かけたのは、ROIを考えればおそらく長すぎた。Sam Ovensに約150時間かけたのも、明らかにやりすぎだった」であり、さらに「20〜30時間しかかけていないコンテンツも、同じくらいうまくいくように見える」と続く。
つまり効いていたのは深さの絶対量ではなく、一次情報であるという閾値を超えることだった。閾値さえ超えれば、そこから先の追加投入は収益にほとんど反映されない。150時間の記事を1本作るより、30時間の記事を5本作るほうが同じ工数で5倍の検索面を取れる。この見極めが入ったことが、限られた個人の時間を収益に変換する効率を大きく変えている。
うまくいっていないこと、限界
数字は正直に低い。1日1,000UUで月商$4,199、利益$2,708は、日本の物価で考えても「専業として食える下限」に近い水準である。立ち上げから18ヶ月かけてこの地点だ。本人も「アフィリエイトについて言えば、簡単だと言ってくる人間を信じてはいけない。そう言う人間はたいてい、あなたに講座を売ろうとしている」と釘を刺している。
構造上のリスクもある。収益の95%が単一の手法(アフィリエイト)に寄っており、しかも扱う商材が「ネットビジネス講座」という、プログラム提供者の都合で報酬条件が変わりやすいジャンルである。検索アルゴリズムの変動と、商材側の紹介料改定という二重の外部依存を抱えている。逆に言えば、Patreonの少額支援とメールリストは、この依存を薄めるための保険として位置づけられる。
何が真似でき、何が真似できないか
真似できるのは方法論のほうだ。自腹で買って通しで使う、合わない読者には合わないと書く、1本あたりの投下時間に上限を設けて本数に回す。この三つはジャンルを問わず移植でき、特別な人脈も免許もいらない。
真似しにくいのは助走部分である。Doherty氏は2010年に会社員を辞めて以降、約8年間フリーランスとして月$3,000〜5,000を稼ぎ、eBiz Factsを始める時点で$15,000の手元資金を持っていた。収益ゼロの18ヶ月を耐えられたのはこの蓄積があったからで、本人も後進への助言として「まずリモートの職を得るかフリーランス事業を作れ。そこで時間と金の自由を手にしてから、ECやアフィリエイトを大きなストレスなしに立ち上げればいい」と、順番を明示している。無収入で最初の1年半を走り切れという話ではない。
もう一つ再現しにくいのが題材との相性だ。この人物はネットビジネス業界の内側で長く働いており、どの講師が何を売っているかという文脈をすでに持っていた。同じ手法を無関係なジャンルで始める場合、一次情報を取るコストは同じでも、何を検証すべきかの当たりをつける段階で余計な時間を払うことになる。
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出典
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